片頭痛とボトックス |
ボトックスが頭痛に効くということは、アメリカの美容外科医たちが美容目的でボトックスを使用中に、患者さんの頭痛もよくなったという報告が多数寄せられてわかってきたものです。その後、多くの大学の神経内科や頭痛の研究施設で臨床治験が進められ、初期の臨床データが集められました。その結果、どうしてボトックスが頭痛に効くのかという事が少しずつわかってきました (治療費2万1千円より)。さらに詳しく読む・・
ボトックスの片頭痛に対する応用療法の詳細はこちらのページをご覧ください。
歯ぎしり、顎関節症とボトックス |
歯ぎしり、顎関節症はわたしどもの本の中でも述べられていますが、まず医師、歯科医の専門的な診断が必要です。その上で、必要ならあごのかみ締める筋肉の一部をボトックスで緩めることで、症状を緩和することができるようになりました。費用は5−10万円(症状により異なります)。治療は無痛、5分で終了。半年間くらい効果があります。
その他のボトックス応用例以上のほかボトックスはさまざまな状態に用いられています。体の上から羅列すると、眉毛のかたちを変える(本当に自在に変えられます)、豊麗線を目立たなくする、歯茎が見えにくくする、あごのでこぼこを修正する、歯軋りを緩和する、くびのつっぱりを緩和する、ふくらはぎを細くする、膀胱の緊張を和らげる、消化管や肛門の緊張を和らげる、などなどさまざまです。 |
|
<写真> (笑うと歯茎の見える状態にボトックス使用:左-術前、右-術後)。治療費は5〜10万円。 |
ボトックスの将来
日本ではボトックスはまだ上で述べたように眼科領域の疾患に対してしか、その使用が認可されていません。現在各地のクリニックで美容目的で行われているのは認可外適用といって、医者の裁量によって特別に行われているものです。本当は患者一人ひとりの許可や認可外使用に関するインフォームドコンセントが必要なります。近い将来、日本でもアメリカのようにボトックスが美容やその他の疾患の治療目的で認可されることが期待されます。
ボトックス治療の問題点
ボトックスは正しく用いれば大変安全な医薬品なのですが、以下のような注意事項を知っておく必要があるでしょう。まず、どのような皮下への注射でも起こりうる事なのですが、あざの起こることがあります。とくにビタミンEなどのサプリや銀杏の葉のエキス、アスピリン、魚のオイルなど服用中の方は要注意です。また頻度は1%程度と少ないのですが、額や眉間のしわへの治療後、まぶたが開きにくくなることがあります。これはもともと軽度から中等度の眼瞼下垂がある患者さんで、代償性に前頭筋を一生懸命使用してまぶたを開けている場合があり、そういう患者さんへボトックスをおでこなどに注射すると、とんでもない眼瞼下垂を示すことがあります。これは多くは術前に簡単なテストで予防できるものなので、ドクターがそういう知識を有しているかどうかにかかっているともいえます。
以上のような副作用のほか、起こりうるもの
左右差-これはよく起こることで、術者のテクニックにもよりますが、眉毛の形や額のしわ、あるいは口角の上がり具合などでみられ、再治療が必要となってきます。こうした注射の結果により直接的におこる副作用のほかに、全身的なものたとえば風邪を引いたような症状、発熱もみられることがまれにあります。また頭痛のようにボトックスで著しい効果を見せるものと、逆に新たな頭痛を起こす場合もまれですが報告があります。
製剤がもたらす副作用
正しいルートで購入したボトックスではないのですが、偽物、とくにアジアの一部で出回っている偽物のなかに、正式のボトックスより効果の強いものがあるといわれており、そういうものを使用した場合、呼吸障害などの重篤な副作用が起こることが報告されています。その他の細かい注意事項は私どもの著書を参照ください。
ボトックス治療上の欠点
しいて言うならば繰り返し4カ月おきくらいで再治療が必要なこと、まれにだんだん利きが悪くなってくるケースがあること、それからこれは男性で重要だと思うのですが、たとえば目じりのしわを完全になくしたために、かえって冷たい印象をあたえ、必ずしも本人にとってプラスとならない場合がある、ことなどでしょうか。保管上の問題点があり、ボトックスは生理食塩水で希釈前は冷凍か冷蔵保存が必要で、希釈後は冷蔵保存が必要ですが、効果は徐々に衰退し、2週間以上経ったものは使わない方がよいといわれています。
全体としてボトックスは正規の薬品をただしく用いれば、きわめて安全かつ効果的な治療方法だといえるでしょう





